誕生☆ (12月4日)


12月に入って、未だかな〜?と、緊張を通り越して待ち切れなくなりつつあった私。
お腹とにらめっこの日々。
お腹が下がって来てる気がするのは私だけのようで、会う人、旦那さんの家族、みんなが「まだね」とお腹を見て意見を飛していた。
週末、長女は「白雪姫」を見に連れて行ってもらえると、義母の家にお泊まり。
旦那さんは日曜日は休みなので、そろそろ出て来てほしいな。と、お腹に話しかけてみた。
ぐにゅぐにゅと、いつもの様にお腹の中で赤ちゃんが動いている。
けど、なんとなく、その動きが「返事」の様な気がして、もしかして明日産まれるかも..と、しみじみお腹を見つめたりして..
買い物にも出かけ、翌日の日曜日は友達の誕生日。レストランでお祝いしよう☆と約束し、寝た。

12月4日の朝6時42分。お腹が痛くて目が覚めた。
陣痛...と思い、朝方寝た旦那さんを起こし「多分陣痛がきたよ、今日産まれるかも...」と言うと、「あり得るね」と言ったまま、、、、彼は寝てしまってる。。。。。
起こすべきか、様子を見るべきか考えてたら,またもや陣痛。きっかり10分間隔で来た。
旦那さんを再度起こし、陣痛を計ると、10分、10分、12分.....
母に電話して、友達にメールして、その日の予定を何となく考えてた。
7時過ぎに助産婦さんに電話してもらい、9時にクリニックに来なさいと言われ、その前に,私も顔を洗おうと起き上がったら...
倒れそうになる程の激痛!!!!!!!!!
あまりの痛さに、叫ぶでもない悲鳴でもない声が出て来るだけ。

10分、10分、12分、8分、6分、4分....

陣痛を記録してた旦那さんが、急いで助産婦さんに再度電話し,事情を告げてる。
歩けるどころか、1cmすら動けない痛みの中、「麻酔!!!」と訴えた私。
助産婦さんと、麻酔はなるべく使わないで出産をしよう。と言ってたくせに...
「タオルを沢山用意しておいて。すぐに行きます!」とご主人と一緒に飛んで来てくれた助産婦さんが、
「麻酔は出来ないわよ、歩いてクリニックに行ける状況じゃないし。子宮口が全開だから
ここで産むしかないけど、私は25年間自宅出産を手伝って来たし、準備が出来てる。それともSAMUや消防士を呼んで自宅出産がいい?10人位に囲まれて点滴打たれて、子宮から無理矢理出されるけどね」
「それから、玄関のドアは開けといて,なにがあるか解らないから。」
「主人にはアパートの前に居てもらいましょう、車で待機してもらって、もしもの時はそのまま運びましょう」

.....そんな会話は全く聞こえてない私.....

私も旦那さんも、助産婦さんのシンプルで温かい人柄にとても信頼感を持てたからだろう、自然にそれぞれの準備をし、役割を果たした気がする。
私は自然分娩で出産なんて出来ない!!!と思ってたが、出来ないも何も,ここまで来たら産むしかない状況。
ゴニョゴニョと考えていたら、段々,体が自然にリズムを作りはじめた。
テレビで見る、馬かなにかの出産を思い出す様な,雄叫びか悲鳴か....
痛過ぎて,声じゃない「音」が体から出て来る感じ。
力を入れようとして力むのではなく、赤ちゃんがタイミングを計るのか,体が自然に力を促してる。。!!!
段々、赤ちゃんがちゃんと動いて出ようとしているのが自分でも解った。
信じられない前向きな気持ちと、赤ちゃんがちゃんと降りて来れる様に、何度も赤ちゃんに心で呼びかけた。

赤ちゃん、大丈夫。ちゃんと降りてきて。
赤ちゃん、大丈夫だよ、ママも頑張るから。

解らないけど、そんな事を必死に心でつぶやいた。
次の瞬間、ガクン..と赤ちゃんが下がったのが解った。今までの痛みとは違った、両足が外れそうな、骨が外れそうな痛みだった。
「赤ちゃんが見えるわよ」と言われた様な、なにかを言われた気がするけど、言葉が耳に入って来なかった様で,助産婦さんが,私の手を取って赤ちゃんを触らせてくれた。
ムニムニした赤ちゃんに触れたとき、こんなにも柔らかく温かいものだったのだろうか,,と、初産でもないのに、信じられない気持ちでいっぱいになった。
体がブルブル震えて止まらなかったけど、意識が遠く宙に舞っている様な、不思議な満足感で一杯になった。

BON VOYAGE..

助産婦さんがそう言ってへそのうを切ってくれた。
プルプルでツルツルの赤ちゃんの肌。ぐ〜んと大きくなりそうな,足と手。
静かな部屋の中で、ゆるりとした空気が流れている。
痛みは既に忘れ,赤ちゃんの息だけが聞こえて来る.
素晴らしい旅のスタートになったかな。。

長女を出産した時、病院で沢山の看護婦さん、助産婦さん、お医者さんがいて、力んでもなかなか産まれなかった。
最終的に、鉗子で取り出された長女。左半分は麻酔が効いていたが,右半分は麻酔が効かなく、これまた凄まじい痛みの中、赤ちゃんが産まれた感動と言うよりも、病院で「手当」をされた様な気分とも言えば良いのだろうか。。
赤ちゃんのこめかみに鉗子の跡が赤くついて、今でもその跡が忘れられない。
ごめんね,痛かったね。。ととても申し訳ない気持ちがあった。

そんな気持ちから、今回は,もっと自然に近い形で出産したかった。
旦那さんが、ずっと前から調べて、ここにしよう!と言ってた評判のいいクリニックが近所にあり、友達がそこの良い先生を紹介してくれたおかげで、今回、次女はとても素晴らしく「生まれ」ついた気がする。

ー本来、女性は自然に出産する力が備わってる。なのにみんなそれを忘れてるー

助産婦さんに言われた時、目から鱗と言えば良いのか、
まさに、私は、出産は医学に基づいて行うものという感覚があったのかもしれない。
自分を信じた訳じゃなくても、体がちゃんと「その時」なりに動いた体験。
私に取ってはとても大きな出来事。
産んだ後、当然入院すると思っていたのに、それもせずに、オメオパシーのアルニカを2チューブ飲んだだけ。
私も旦那さんもとても満足で素晴らしい体験をした。

大げさに言うと、私達の意識が少し開いた感じがして、これからはじまる育児を前に,とても大きな仕事を終えた満足感がある。
予想外の自宅出産だったけど、こんなにも素晴らしい時間と出産が出来た事、
タイミングを読んで産まれて来てくれた赤ちゃん,
支えてくれた周りの方に心から感謝します☆


                         AM 9h30
                                                                            53cm
                                                                              3780g

                                                                      bon voyage...☆

コメント

  1. Julietteちゃんへ
    誕生おめでとう
    あなたのママが身重の体で大変な時に私は近くにいてあげられなくて、遠くでハラハラ心配するしかできなかったから無事生まれてきてくれて感謝しています。
    私からも Bon Voyage!!!

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    1. 見守られ、沢山の励ましの中ちゃんと産まれて来てくれた。
      私の体を使って、あちらの世界と繋がった様な出産.命の繋がりだと思った。。

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